矢野登記測量事務所

愛知県豊橋市 司法書士・土地家屋調査士・行政書士 事務所を開業しています。

ホームページを完成させるまでの間に、備忘録として綴ってみます。

今まで疑問・質問があった事項について検証して、順次追加してみようと思います。

書類作成で気を付けたいこと

  • 契約書などの書類を作成することの意義や義務
  • 不動産の表示(不動産の記載方法)
  • 遺言書(いごんしょ) 遺言書の種類
  • 遺言書(いごんしょ) 遺言執行者
  • 遺言書(いごんしょ) 家庭裁判所の検認

司法書士業務

土地家屋調査士業務

行政書士業務

  • 農地法届出
  • 農地法許可

その他

  • 法定相続証明情報

未登記建物とは

俗にいう未登記建物は、もともとの定義がないため2種類の意味を指しているものと思われます。
どちらの意味を指しているのか、細かく聞き取り・そして調査しないと判断がつかないことが多くあります。
2種類の意味を混同されていることが原因かと思われますが、後の手続きが異なるためこの時点での判断が重要となります。

  • ①登記簿自体が法務局に備えられていないもの
     言い換えると、(登記簿の)表題部が備えられていない建物
     さらに言い換えると、法務局に何らの情報もない建物
  • ②登記簿自体は法務局に備えられているが、相続など名義変更をしていないもの
     言い換えると、(登記簿の)表題部は備えられている建物
     しかし、登記された所有者が現在の所有者と合致していない
     さらに言い換えると、法務局に物理的状況としてどんな建物かという情報はあるが、誰
     の所有物か実態と合致しない建物

建物を取り壊した場合の違い

①の場合は、建物滅失登記の対象ではありません。
②の場合は、建物滅失登記の対象となります。

相続が発生した場合

①の場合は、建物表題登記の対象となります。
②の場合は、所有権移転登記の対象となります。

未登記建物を取り壊した⇒滅失届など(市町村)

未登記建物を取り壊した場合は、登記(建物滅失登記)の対象ではありません。

未登記建物を取り壊した場合、法務局に対する建物滅失登記ではなく、市町村に対する滅失届などが必要です。

建物滅失登記は、登記された(法務局において登記簿がある)建物の登記簿を閉鎖する手続きです。
閉鎖する対象である登記簿自体が存在しない以上、建物滅失登記の対象とはなり得ません。

離婚に伴う不動産の名義変更

財産分与なのか・他の原因(売買など)なのか

離婚に伴う不動産の名義変更⇒即、財産分与とは限りません。売買や贈与などで処理される方もいます。

財産分与の協議は離婚協議とは別ものです。書面に残すのであれば両方別途の書面を残すことをお奨めします。

  • 財産分与(民法上の要件、登記、税金の観点から)
  • 離婚成立前の名義変更
  • 担保付不動産の名義変更の場合は、担保権者の協力が必要

財産分与 

 民法768条(民法771条で裁判上の離婚について準用されるものを含む)により、財産分与をした場合です。当事者間で協議が調わない・協議ができない場合、家庭裁判所に対し協議に代わる処分を請求できるのは離婚から2年以内。

離婚した夫婦間で、財産分与の協議が成立し、そのなかに不動産の所有権があれば、協議成立日(×離婚成立日)付けで財産分与を登記の原因として所有権移転登記を申請することになります。

財産分与に該当するのであれば、国税・不動産取得税が課せられないと聞きますが、実際に課税される・されないの判断は県税事務所・税務署や税理士さんに確認してください。

離婚成立前の名義変更

財産分与と言えるには、離婚した者が協議した場合に限ります。離婚成立前の名義変更は財産分与とは言えません。

離婚成立前の不動産の名義変更としては、原因に売買や贈与が使われることがあります。

『不動産の名義変更を先に済ませないと離婚しない』などと条件を付けられた等の場合や『登記簿に財産分与と記載されたくない』等と主張された場合に検討・実行した経験があります。

この場合(売買や贈与)は、実態も税金面も財産分与とは異なります。

売買であれば譲渡所得税・不動産取得税が課せられ、贈与であれば贈与税・不動産取得税が課せられると聞きますが、実際に課税される・されないの判断は県税事務所・税務署や税理士さんに確認してください。

担保付不動産の名義変更の場合は、担保権者の協力が必要

担保付不動産の場合、当事者間で、どのように財産を分与するか協議できたとしても担保権者の承諾や担保の見直しなどが必要です。

通常、担保設定の原契約時に、担保対象の不動産については承諾なくして名義変更等をしない約定が特約されていることと思います。この特約に違反した場合は一括返済を迫られるかもしれません。原契約時の約定の一部として期限の利益(月払いであったりボーナス払いであったり、原契約債務者の支払い能力を審査した結果認めたもの)として約定された内容は、債務者や不動産の所有者が変更された時にまで当然に認められるものではありません。

今まで通りそのまま返し続けるのだから担保権者には関係ない・黙っていても支障ないと考えておられる方が居ますが、発覚した段階で一括返済を求められることがあります。

担保権者の承諾を得られたとしても、担保の見直しとして、借換え(金融機関の変更も含め)や既登記抵当権の変更(利息などの条件面などの変更)をすることが必要になることが多いものと予測されます。